法学部の現況

(又信東京50号より)




香川大学法学部長
松尾 邦之

10月1日元医学部附属病院長の長尾省吾氏が学長に就任されました。5月下旬の教職員意向投票と学外委員を含む学長選考会議での選考を経て選出され任期は4年間です。医科大との統合後初めての医学部出身の学長です。病院を黒字化した実績と地域のニーズに根ざした教育研究の重視を掲げられています。多くの地方国立大学が理系重視の運営になりがちの昨今の情勢に流されず、四国地域で唯一の国立大学法学部・経済学部の伝統や潜在力を生かすリーダーシップを期待しています。次に昨年来の出来事を紹介します。

第二回ホームカミングデー開催: 昨年10月30日(土)、2年ぶりにホームカミングデーが開催されました。歓迎式典・昼食会・学部キャンパスツアー(各学部毎に見学や教員との懇談)・幸町キャンパス散策(大学祭・図書館・博物館等)・特別講演・懇親パーティと盛り沢山の企画に百名近くの参加者がありました。懇親パーティーでは、卒業生の拍手と歓声に包まれながら在学生サークルの合気道やダンスなど熱のこもった演技が披露され大いに盛り上がりました。

これまで以上に盛況だった卒業祝賀会: 3月24日卒業式当日午後から榊又信会会長を来賓にお迎えして教育キャンパス内の研究交流棟6階で開催しました。父母後援会と又信会の援助を受けて今回もゼミ連3年生を中心とする幹事諸君が手作りで準備し、晴れ着やスーツの卒業生80名ほどと教員・幹事役のゼミ連3年生あわせて、復活後最多の約百名で会場が賑わいました。卒業生からは最高の学生生活でしたとか楽しかったなどの声が寄せられました。

進路状況/就職と進学: 全国的な就職状況(文科省学校基本調査)についてNHKや報道各社は就職率61.6%とリーマンショック以後の就職難や大震災の影響を強調して報道していました。通例用法では就職希望者比就職率が使われていますが、この用法では法学部就職率は56.7%(通例用法で86.7%)となりH17年春53.3%(通例93.7%)を若干上回るものの最近6-7年の60%台半ば(同90%台半ば)を10ポイント近く下回ってしまいました。公務員は実数・就職率ともかなり上向きだったのですが、民間企業特に金融保険業就職数の半減が直接要因と思われます。就職への積極姿勢を持ち簿記会計や経済の基礎知識を身につけて全国企業にもチャレンジするよう今後は強く促したいと考えています。

卒業者比大学院進学率は13%(うち法科大学院10%弱)、資格取得を希望している進路未定者は20%台と最近になく高い数値でした。モラトリアムではなく進路を勉学(公務員試験や司法試験等専門資格取得)で切り開こうという“法学部型”積極性の表れであれば良いのですが・・・。

7月3日戦没者慰霊祭の開催: 懸案となっていた戦没者慰霊祭が又信会員と法経教職員あわせて約百名が参加し経済学部・又信会共催で行なわれ、私は藤井経済学部長に続いて追悼の辞を述べる機会を得ました。92歳の橋本さんをはじめ戦没者と同世代の先輩方から痛恨・哀切の想いが切々と語られました。戦後世代の参列者にも深く心に残りました。

最多の参加者を迎えたオープンキャンパス: 法学部では8月11日午前午後の二回、オープンキャンパス(入試・カリキュラム・進路などの説明会)を実施しました。受験希望の高校生と保護者や高校関係者延べ411名が参加しました。毎年漸増していましたが昨年比5割の急増となりました。

最後に、昨年を除き今回で5回東京支部総会で皆様とお会いできる機会を頂戴できました。深く感謝しております。今後とも後輩学生達並びに法学部をよろしくお願いします。